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古都 - 川端康成 

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舞台は,1961年の古都・京都.捨て子ではあったが,呉服問屋の娘として清らかに成長した娘千重子.彼女が,祇園祭の夜に偶然に自分と瓜二つの娘苗子に出会ったことから,運命が揺れ動く.京都の風物,名所と絡まりながら,千重子を取り巻く人々の人間模様・・・,といったようなあらすじです.

あまり期待せずに読んだが,とても面白かった,というかめちゃくちゃ良い作品ではないですか!.個人的には,”千羽鶴”の次くらいに気に入りました.

一見普通の純文学のように読めますが,ちょっと強引な展開と,何気ない日常の出来事が何故か艶めかしく感じられてしまう絶妙な文体とを考慮すると,この作品も川端の幻想文学的作品の一つに入れても良いと思います(他は,”みずうみ”,”千羽鶴”,”眠れる美女”などがそれに当たると思う).これは何度でも読んで,いつでも美しくも妖しい世界にトリップできちゃいそうです.そしてこの妖しい世界を氏に書かせた鍵の一つというのが実はあるのですが….

今まで川端の物語に登場する女性はどうも現実感が無いと思っていましたが,彼女らは幻想文学の主人公なのだと考えて読めば何となく納得できることがわかりました.とてもあり得ないような幻の美しい女性たち.

地名,祭りなどの風物名が多く出てくるので,すぐ調べられるように読むときは京都市内の地図,辞書を近くに置いておきたいです(ネットでももちろん可).さらにできれば京都の名所訪問経験があった方が情景が浮かんでくるのでなお良いです.

  古都 - 川端康成 (1962年作品)

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黒い十人の女 - 監督:市川崑 

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昔,おそらくタイトルの格好良さと,小西康陽氏制作の宣伝フィルムの格好良さにとても惹かれて,珍しくわざわざ渋谷の映画館で,夜しかやっていなかった再上映を観たこの作品.久しぶりにDVDで観ました.

ストーリーがどうとかという映画ではありません.ひたすら女優さんが美しいのと,洒落たフランス映画のように映像がスタイリッシュなのです.個人的には岸恵子さん,ふんだんに使われるカットバック(かな?)にシビれてしまいます.

撮り直した”犬神家~”より,断然良いと思います.未見の方は是非!.

  黒い十人の女 - 船越英二,山本富士子,岸恵子,中村玉緒,監督:市川崑

青空文庫にて短編いろいろ(1) 

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青空文庫を利用して最近読んだ短編の感想などを.半分メモ代わりです.


老妓抄 - 岡本かの子(1938)
 何とも味わい深い短編.ちょっと鬱になるような結論.やはり人生はこんなものなのか….


鮨 - 岡本かの子(1939)
 鮨を食す描写が生々しく素晴らしい.こちらも寂しい結末だが,何となく仄かな希望が感じられ,私はこちらの方が良かった.


牛鍋 - 森鴎外(1910)
 超短編.牛鍋を食す描写が素晴らしいが,内容的には単なるギャグにしか読めなかった.


花を持てる女 - 堀辰雄(1942)
燃ゆる頬 - 堀辰雄(1932)
あいびき - 堀辰雄
聖家族 - 堀辰雄(1932)
 何れも堀辰雄らしい作品.聖家族は彼の代表作だが,それほどでもなかった.やはり彼は「美しい村・風立ちぬ」で決まり.


桜の森の満開の下 - 坂口安吾(1947)
桜の樹の下には - 梶井基次郎(1928)
 似たタイトルだが,内容は全く異なる.どちらもまあ普通.梶井はやはり「檸檬」がずば抜けている.


※近日中に”青空文庫”を縦書き印刷するフリーソフトを紹介予定!

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