古都 - 川端康成 

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舞台は,1961年の古都・京都.捨て子ではあったが,呉服問屋の娘として清らかに成長した娘千重子.彼女が,祇園祭の夜に偶然に自分と瓜二つの娘苗子に出会ったことから,運命が揺れ動く.京都の風物,名所と絡まりながら,千重子を取り巻く人々の人間模様・・・,といったようなあらすじです.

あまり期待せずに読んだが,とても面白かった,というかめちゃくちゃ良い作品ではないですか!.個人的には,”千羽鶴”の次くらいに気に入りました.

一見普通の純文学のように読めますが,ちょっと強引な展開と,何気ない日常の出来事が何故か艶めかしく感じられてしまう絶妙な文体とを考慮すると,この作品も川端の幻想文学的作品の一つに入れても良いと思います(他は,”みずうみ”,”千羽鶴”,”眠れる美女”などがそれに当たると思う).これは何度でも読んで,いつでも美しくも妖しい世界にトリップできちゃいそうです.そしてこの妖しい世界を氏に書かせた鍵の一つというのが実はあるのですが….

今まで川端の物語に登場する女性はどうも現実感が無いと思っていましたが,彼女らは幻想文学の主人公なのだと考えて読めば何となく納得できることがわかりました.とてもあり得ないような幻の美しい女性たち.

地名,祭りなどの風物名が多く出てくるので,すぐ調べられるように読むときは京都市内の地図,辞書を近くに置いておきたいです(ネットでももちろん可).さらにできれば京都の名所訪問経験があった方が情景が浮かんでくるのでなお良いです.

  古都 - 川端康成 (1962年作品)

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