失われた時を求めて1 第一編 スワン家のほうへ - マルセル・プルースト 

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失われた時を求めて1 第一編 スワン家のほうへ - マルセル・プルースト
井上究一郎訳 - ちくま文庫版(筑摩書房


初めて読んだのはいつのころだろう.手持ちの初版の年月日からすると,大学生活の終わりの頃か,社会人1,2年目の頃.なぜか再度読みたくなったので,読書開始.

本巻は全10巻の内の初巻.改行ほとんど無しで約700ページというまさに活字の塊.まだ序曲に過ぎない,本巻で既に全体に関わる重要人物,地名,最終巻で述べられる大テーマに結びつく小テーマがちりばめられているので,注意深く読む必要がある.年をとったからなのか,アウトラインを知っているからなのか,それとも活字読みが上達したからなのかわからないが,初回に比べて内容はかなり頭に入ってくる.これは嬉しい.
 
内容の解説は難しい.ストーリーなんてあってないようなもの.あるちょっとした会話,見たものから著者の回想,哲学的考察などの内面的心理描写が延々数十ページも続いてしまうことがあり,どちらかというとストーリーよりそちらがメイン.だから,今回は小説というより哲学書として読んでいる.そう考えると比較的楽な文章に思えてくるから不思議.そう,これは20世紀初頭に書かれた哲学書なのだ.


一応ストリートはこんな感じ.

著書がベッドで幼い頃(小学生くらい?)過ごした避暑地(コンブレー)を思い出し,コンブレーの印象,人間関係を述べ,大好きなママをいかに自分の近くに居させるかに苦労したイベントが出てきて,そのうち思い出すことが困難になってくるが,有名な「プチ・マドレーヌを浸した紅茶の香り」から,思い出せなかったコンブレーの記憶が次々に蘇る.

その後,更に著者が生まれていない時代に遡って,コンブレーでお隣さんだったシックな「スワン氏」の恋について語られる.そして最後は,音楽で言う間奏曲的な土地や時代の考察が述べられて終わる.この最後の章が実は重要.ある意味,巻のまとめの章とも言える.

昔読んだときは,今一ピンとこなかった「スワンの恋」の章が,とても面白く読めた.「そうそう,そう思うよね」って感じで読みながらかなり共感してた.まあ,自分もいろいろ人生経験を重ねたってことなのか(w.

しかし,やはりフランス,パリの地名と人の名前,歴史,美術品,貴族の関係には手こずる.高校も地理を選択したもんで….世界史とか勉強しておけば歴史背景の理解がもう少しできるのではないかと思う.フランス全土とパリ市街の地図,インターネットによる学習は欠かせない.現在のパリにも行ったことないのに,100年前のパリの風景なぞ簡単には思い浮かばない.手元に世界史の本や本書の写真,絵(絵画)付きの補足テキストが欲しい.人名については,メモ帳片手に自分で備忘録をつけている.

まだ,あと9巻あるので,ゆるりゆるりと読んでいこうと思う.

鈴木道彦訳の集英社版の方が少し読みやすいらしい.文庫本の表紙も収録されている内容に関連するイラストとなっていてイメージしやすいかも.

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