失われた時を求めて3 第二編 花咲く乙女たちのかげにII - マルセル・プルースト 

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失われた時を求めて3 第二編 花咲く乙女たちのかげにII - マルセル・プルースト
井上究一郎訳 - ちくま文庫版(筑摩書房)


 前巻「花咲く乙女たちのかげにI」の最後の舞台から引き続き,ノルマンディのリゾート地「バルベック」での生活模様.

 この巻は…,

初巻で既に(名前は明かされなかったが)重要人物として登場に,後々のにも更に重要人物になっていく「シャルリュス男爵」が,キザな,誰が会ってもとっても嫌な印象を持つ風情で登場し(初めて紹介された時の握手の仕方がとっても嫌だ),その彼は「私」があこがれる「ゲルマント家」の人間であることがわかり,

私の友人となる「ロベール・ド・サン=ルー」もまたゲルマント家の人間であるが,自分が身分の高い貴族であることを忌み嫌っており,貴族であることを表に出さずにいろいろと私に親切に接し親友になるが,彼の叔父であるシャルリュス男爵を「とてもエレガントで,シックで,若い頃はファッションリーダーだった人」と尊敬しているという話に私は混乱し,

私が海岸で見かける乙女たちの一団(あくまで”一団”)に恋をし,

まだ売れていない若い頃にヴェルデェラン夫人のサロンで寵愛されていた画家「エルスチール」と知り合うことができ,そこで絵画芸術の素晴らしさに感動し(前の巻では音楽芸術の素晴らしさに感動してた),偶然にも「スワン夫人(=オデット・ド・クレイシー)」の過去に関する重大な過去を知ってしまうことになり,

実はエルスチールと乙女たちの一団は知り合いであることがわかり,私は彼女たちを紹介してもらえるようにいろいろと知恵を絞り,

願いが叶って彼女たちを知り合うことができて,心の中で狂喜乱舞し,

特に,ブルジョワの裕福な家庭で育ち,頭が良く,面倒見も良いのだが,病弱で”私ととても似ている”「アンドレ」と,孤児であり、どちらかというとあまり恵まれた環境で育ったとは言えないが,どこかチャーミングで人を引きつける「アルベルチーヌ」と仲良くなり,いろいろと若い妄想と若気の至りな失敗をやらかしてしまい,

バルベックもとっくに夏が過ぎて寒い季節に入り,避暑に来ていた人々,友人たちも各々の本拠地に帰っていき,私もやろうとしたができなかったあれやこれやのことが思い出され,心残りを抱きながらバルベックを離れていく

…というお話.


 私は,病弱なのにやっぱり思春期真っ直中で,悶々と妄想してしまうところが面白い(でも,女性が読んだらあまりに男性中心なので嫌になるかも).アルベルチーヌが一番好きと言っておきながら,”ダメなら他の娘でもいいや”とか言っている.

 今までの編でもそうだったが,編の終わりのまとめに入る?箇所の表現,私の思考の表現が素晴らしい.たった一つの事柄に対して斯くもいろいろな比喩ができるものか.

 それにしても,ユダヤ人の友人(悪友?)「ブロック」とその家族は,とことんダサくてバカな人々として書かれている.日本人にはピンと来ないが,やはりユダヤ人というのはそういう風に見られていたのか?

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