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失われた時を求めて4 第三編 ゲルマントのほう I - マルセル・プルースト 

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失われた時を求めて4 第三編 ゲルマントのほう I - マルセル・プルースト
井上究一郎訳 - ちくま文庫版(筑摩書房


 読み終えてからだいぶ経ってしまいましたが,失われた時を求めての(たぶん)山場の第4巻を読了しました.
 ノルマンディのリゾート地”バルベック”から,帰ってきた後のパリのゲルマントの館(主人公の一家が入居したアパルトマン)と,友人サン=ルーが入隊している部隊が駐屯しているドンシエールという田舎町を舞台しております.

 主人公が成人し,第一次世界大戦前(日露戦争の頃,19世紀末)のパリの社交界(サロン)に出入りし始める頃です.「真っ盛り」と言っても相変わらず病弱で,マザコンで,外でみんなでわーわーとテニスとか”しない”青春です.また,その頃にフランスで起こった実際の政治的事件「ドレフュス事件」が登場し,社交界,世間をドレフュス派,反ドレフュス派に二分し,それぞれの派が主張を戦わせます.

 主人公の成長とともに,子供っぽい思考が少し大人っぽい思考になり,共感できるところが増えてきて楽しかったです.それにこの巻の始めの方で,主人公のあこがれとして描かれていたゲルマント公爵夫人(大公夫人というのも登場しますが別人です)に,最後の方では別の気持ちを持ったり,サロンそのものに対しても実際に関わってみた主人公の印象が述べられていきます.また,サン=ルー(イイ奴です)の恋とそれに対する主人公の考察なども絡んでいきます.最後の方では,またまた謎の人物シャルリュス氏が登場して,主人公を困惑させていきます.

 それにしても,文章の各所に散りばめられた深い洞察に満ちた言葉,哲学的な思考.今までもそうでしたが,この小説は言葉が(良い意味で)濃密過ぎます.このような文章はどうしたら書けるのか?,また訳せるのか?,二度目の没入でこの小説の凄さを実感しています.


ドレフュス事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%95%E3%83%A5%E3%82%B9%E4%BA%8B%E4%BB%B6

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